ごあいさつ
この言葉は、19世紀フランスの小説家シャトーブリアンの言葉として、四半世紀前に私の記憶に刻まれた碑文です(正確には「文明の前には森林があり、文明の後には砂漠が残る」)。
当時、私は木材事業を手がけており、自然環境と直接触れる機会に恵まれていました。
人の一生をはるかに超える時間を生きてきた木々や他の動植物、水や土などの風土が互いに依存しながら循環する生態系はすばらしく、 自然への畏敬の念を抱くようになるにはさほど時間は必要ありませんでした。
そして『いつの日か、自然環境への感謝を形にしなければならない』と思うようになっていました。
すべての生物の基盤である自然環境は実に繊細なバランスのもと、その姿を保っており、そのバランスは一度崩れると元に戻ることはないと考えて間違いありません。 2005年2月15日、地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素を始めとした温室効果ガスの排出に制限を設けようという京都議定書が発効しました。
世界が環境を守るために、経済活動の制約になりかねないこの条約の発効を認めたことは、いかにこの問題が深刻でありかつ急を要するかを表しています。
地域公害などの狭義の環境問題においては加害者・被害者が存在しましたが、酸性雨や地球温暖化などの地域・国境を超えた地球規模の問題は私達一人ひとりが被害者であり、加害者です。
今、すべての人が自然環境への畏敬と感謝の思いを持ち、各々が出来る環境保護を考えなければなりません。
私は、数十年前に秘めた自然への感謝の気持ちを形にするために知恵と新しい知識や技術を取り入れ、すべての人が環境保護に参加できるような事業を目指したい、 みなさんと共に出来ることから始めたいと思います。そうすればきっと、『文明の後にも森が残る』でしょう。